オフィスチェアやゲーミングチェアのシートの素材はファブリックやメッシュなど様々なものがありますが
中には「レザー製」のシートを使っている人もいる事でしょう。
現在オフィスチェアやゲーミングチェアで使われているレザー製のシートの多くが「合成皮革」という人工的に作られたレザーです。
最近流行のゲーミングチェアなんかはその殆んどのメーカーのシートが合成レザーで出来ていますから、シートのお手入れなんかはとても大切。
というわけで、この記事ではこの「合成皮革」の種類からメリットデメリット、PVCとPUの違い、お手入れの方法、そして長持ちさせるための方法などをご紹介したいと思います。
PVCレザーとPUレザーの違い(メリットとデメリット)
オフィスチェアやゲーミングチェアに良く使われているレザーには「PVCレザー」と「PUレザー」の2種類があります。
2種類とも合成皮革で作られたフェイクレザーですが若干の性質の違いがあります。
それぞれの特徴をみていきましょう。
PVCレザー
ポリ塩化ビニールを使用して作った合成レザー、手触りはPUレザーより硬め。
良い点
- 汚れに強い
- お手入れが簡単
- 比較的安価なものが多い
悪い点
- 通気性が悪い
- 蒸れやすい
- 汗でべとつく
- 経年劣化する
PUレザー
ポリウレタンを使用して作られた合成レザー、PVCより柔軟性に優れ、若干しっとりとした手触り。
良い点
- PVCと比べると通気性が良い(本革には劣る)
- 弾力性と柔軟性を合わせ持つ
- 本革に近い質感
- PVCと比べると経年劣化しにくい
- お手入れが簡単
悪い点
- 通気性はとても良いとは言えない(PVCよりは良い)
- 蒸れやすい(PVCよりはまし)
- 汗でべとつく(PVCよりはまし)
- 経年劣化する(PVCよりは遅い)
- 湿度に弱い(加水分解)
- PVCレザーよりは高価
使用環境と目的に合わせて選ぼう
良い点と悪い点をみるとPUレザーの方が比較的勝っている点が多いようにも見えますが、
PVCにはボロボロになったらすぐに安く買い替えられるというメリットもあるので、子供が跳ね回ったりペットを飼っているなど、環境次第ではPVCの方が向いているというケースもあります。
そのため、自分の使用環境と使用目的に合わせて選ぶことが大事と言えるでしょう。
合成レザーのお手入れ方法
お次はPVCレザーとPUレザー素材のシートを使っている人のためのお手入れ方法を紹介したいと思います。
基本的にPVCレザーもPUレザーも乾拭きでお手入れしてシートについた油分を落とします。
基本は乾拭きで、飲み物などをこぼしてしまった場合は水拭きして乾拭きで水分を取り除きましょう。
ここで大事なのが、水拭きした際はしっかりと水分を乾燥させて取り除かないと水分によって「加水分解」が促進されてしまうという事です。
「加水分解」とは、PUレザーが水分と化学反応を起こすこと。
加水分解が進んでいくと、結果的にシートの表面がボロボロと剥がれて来るのでシートに付着した水分には注意が必要です。
その他、溶剤類、漂白剤の使用は禁止。
漂白剤はツヤの変化や色変を引き起こす事がありますので使用は控えましょう。
どうしても落ちない汚れはぬるま湯で薄めた中性洗剤を使い、汚れた部分を叩くようにして拭き取ります。
中性洗剤も拭き残しは劣化の原因になりますので注意しましょう。
合成皮革専用クリーナーを紹介
基本的には乾拭きで十分ですが、より安心感を得るために合成皮革専用のクリーナーを使うのもありです。
各取り扱い説明書をしっかり良く読んで使用しましょう。
ソフト99 革クリーナー
ミンクオイル、除菌、防カビ剤配合、水はじき効果もあります。
お値段が安いのが嬉しいですね。
カリモク 合成皮革レザーメンテナンスキット
カリモクのソファーに一番効果を発揮するそうですが、それ以外の合皮製品にも利用可能。
より長持ちさせるための2つの心得
お手入れする事ももちろん大事ですが、合成レザーを出来るだけ劣化せずに長持ちさせるにはいろんな事に気を配る必要があります。
という訳で、お手入れも含め、覚えておくべき2つの心得を紹介します。
日常的なお手入れ
まずは基本中の基本であるお手入れです。
シートについた油分を日常的に乾拭きで拭き落とします。
特に蒸れやすく、汗のかきやすい夏場はこまめにお手入れを行いましょう。
汗のみならず、水分(ジュースなど)、油分(ポテトチップスなど食料)またワックスなどの整髪料なども劣化の原因になりますので出来るだけ付着させない様意識する事が大切です。
直射日光、ストーブが直接当たる位置におかない
合成レザーは紫外線と熱に弱いため、直射日光は天敵です。
直射日光の当たらないレイアウトにしたり、日光が当たる時間帯はカーテンを閉めるなどの対策が必要となるでしょう。
外出の際も日光が当たっているのを忘れがちなので注意が必要です。
また、ストーブの熱風が直接当たるのも劣化を促進させるのでNGです。(エアコンやその他の暖房も同じ)
ドライヤーの熱なども気をつけましょう。
その他、温度や湿度変化の激しい場所を避ける事も合成レザーの劣化を出来るだけ防ぐためには大事な対応になってくるでしょう。
まとめ
という訳で、合成レザーについて紹介して参りました。
合成レザーは特性上、出来たその時から経年劣化が始まるものなのでいつかはボロボロになってしまうのは避けられない事なのですが、
それでも日頃のお手入れと、直射日光などの合成レザーの弱点から遠ざけてあげながら最大限に長持ちさせて上げる事で少しでも長くお気に入りの椅子と付き合っていきましょう。